ケベックで永住権をとるには、フランス語ができるという証明書(テストなどを受ける)を提出しないといけません。
今回は、移住希望のフランス人(もちろんフランス語はネイティブ)がそのテストに落ちてしまったというニュースをみたのでシェアします。
永住権取得に欠かせないフランス語のテストって?
移民が多いケベック州ですが、ケベックでは、フランス語のみが公用語とされています。(1974年~)
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そしてケベックのフランス語は、フランス語局(Office québécois de la langue française)によって守られていますが、移民が多く英語圏に囲まれているケベックはモントリオールを始め、英語にフランス語が脅かされています。
それを食い止めるべく、州政府は近年ケベックに永住希望の移民に高いレベルのフランス語を強要しています。
移民に求められるフランス語力のレベルの高さ
冒頭で話したようにネイティブのフランス人がテストに受からないほど、その求められるレベルは高めです。
レベル |
フランスのフランス語 |
ケベコワ |
ネイティブレベル |
C2 |
11-12 |
上級 |
C1 |
10-9 |
中上級 |
B2 |
7-8 |
中級 |
B1 |
5-6 |
初中級 |
A2 |
3-4 |
初級 |
A1 |
1-2 |
現在永住権取得のためのフランス語必レベルは7 (毎時変わるので注意)
数年前までは州指定のフランス語講座を受講するだけ、あるいはある程度の会話ができればクリアでこのフランス語テストは免れていたようです。
しかし、ここ5年位で条件が一気に絞られたようです。テストを受け上級とされるB2(レベル7)に達していないと州の永住権取得(PEQ)の書類が提出できなくなってしまいました。(この条件は毎時変わります。本当に毎時なので、読まれるときと変わっていることがあります。)
ケベコワの奥さんを持ち、ケベックに永住希望のフランス人Yohan Flamanさんは、このフランス語力のテストに合格できませんでした。
オーラルのテストが特に難しかったと話しています。60個の質問に40分で答える必要があります(口頭での指示時間を含む)。
つまり、一つの質問に40秒未満で答えないといけません。
「不合格にさせるための問題ばかりだった。ある程度の語学力を求めるのは理解できるが、ケベック州が求める語学力はかなり厳しい。フルタイムの仕事をしながらフランス語を学ぶ人にとって、ハードルは高すぎる。」と彼は言います。
ちなみに、今回のYohanさんとは別の問題かもしれませんが、私も州の講座を受けているときに練習で問題例をいくつかやりました。
自由と平等は両立するか?テクノロジーは私たちに自由の時間を与えてくれるのか?何歳から携帯を所持するべきか?ボランティア活動をするなら何をしたいか?
とかを4分間で話さないといけないんですが、これフランス語以前に議題の難易度が高めです。
ただ、フランス語の先生曰く、こういった質問を相手に納得させるように自分の意見と結論をフランス語で答えられないと永住権取得の最低ライン7は越えられないと言っていました。
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テスト費用
一回240ドルかかるテストです。テストも高額だから一回で、7以上は取得したいものです。
テストに落ちたフランス人の現在と移民局の問題点
その後、Yohanさんは、無事にテストに合格し、現在永住権の待機期間に入っています。
永住権取得までは平均で27~33か月待たないといけません。
Yohanさんは、こう語っています。「多くのフランス人の友達がこの長い待機期間に耐え切れず、帰国してしまっている。更に問題なのは、受付窓口がないこと。移民局に書類の現況を聞きたくても、窓口では答えてくれないどころが冷たい対応で電話を切られる。」とのこと。実際私たちも書類について質問をしたくて、電話をしたことがありますが、30分電話口で待たされ、ろくな回答を得られず、冷たくあしらわれ1分で電話を切られました。
フランス語のテストも難しい、書類をつくるのも大変、費用も莫大、待機時間が長い、おまけに窓口の冷たい対応、これでは壁が高すぎて、永住したい気持ちも薄れてしまいます。
フランス語を守るのは大切ですが、せっかくケベックにきてくれた移民をフランス人も受からないようなテストや冷たい対応で追い払うのは考えようですね。
ちなみに、ケベック州は、労働者不足でたくさんの移民受け入れをしていますが、フランス語のテストがネックで、お隣のトロントやオタワに2年以内で移る人が多いのが実情です。
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