フランス語圏ケベックには、スタンダードフランス語(フランスで使われるフランス語)では使われない慣用句がいくつかあります。
今回はそんな面白いケベックのフランス語(ケベコワ)の慣用句・諺のまとめです。
それぞれのイメージ画とともに、クイズ形式でどういう意味か楽しんでもらえたらと思います。
参考 https://www.authentikcanada.com/gp-fr/blog/top-10-des-expressions-quebecoises
Se calmer le pompon
<スタンダードフランス語>Calme-toi.
<意味>落ち着いて
<例> Calme-toi le pompon, on n'est pas pressé(落ち着いて、急いでないんだから)
ポンポンとは、毛糸・羽毛などで作った玉の塊で 帽子・靴・洋服などにつけて飾りとして使われるものですね。フランス語でも同じ意味で使われます。でも、この表現にどうしてPomponが付くのが、調べても調べてもわかりませんでした。いずれにしても、焦っているときに、横からCalme-toi le pomponといわれるとなんだか、かわいい言い回しで焦っていたのが馬鹿らしくなってしまいそうですね☺
Tire-toi une bûche
<スタンダードフランス語> Assieds-toi. Prends une chaise.
<意味>座ってよ
<例>Tire-toi une bûche et profite de la soirée.(座ってよ、夜を楽しみなよ)
かつてケベックがフランスの植民地時代だったころ、家具をもつ人は大変少なかったらしいです。そのため、木(切り株や丸太など)を椅子の代わりにつかっていたそうです。そこで、Tire-toi une bûche(薪)という言い方が使われるようになって、今日まで残っているそうです。
Il pleut à boire debout
<スタンダードフランス語>Pleuvoir comme une vache qui pisse.
<意味>大雨が降っている
<例>Il ne faut pas oublier ton parapluie, il pleut à boire debout! (傘をわすれてはいけないよ、大雨が降っているから)
急な夕立や嵐など、大雨が降るときに使う慣用句です。Il pleut(雨が降る)à boire(飲むべき)立ったまま(debout)。つまり、立ったままでも雨が飲めそうなくらい大雨が降っている、という意味になります。
passer un sapin/Se faire passer un sapin
<スタンダードフランス語> se faire arnaquer
<意味>だます/だまされる
<例>La voiture est tombé en panne une semaine après l'avoir acheté. Le vendeur m'a passé un sapin.(購入してから一週間で車が壊れてしまったよ、あの売主は僕を騙した)
かつて、カナダに定住し始めたフランス人は金銭価値のなかったSapin(もみの木)木を、他の針葉樹に替えてイギリス人に騙し売っていたことから、この慣用句が使われるようになりました。
Parler à travers son chapeau
<スタンダードフランス語> Parler à tort et à travers.
<意味>大ぼらを吹く、くだらないことを言う
<例>Tu n as jamais rencontré Paul. Arrête de parler à travers ton chapeau ! (ポールにあったことないでしょ。いい加減なことをいうのはやめなよ。)
英語圏に囲まれているケベックは英語表現を直訳してつかうことが多々あります。この表現もその代表例:to talk through one’s hat の直訳です。
ほかの英語直訳されているケベックフランス語の例はこちら↓
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