今回はトランスジェンダーの彼とその恋人との切ない恋愛映画「わたしはロランス」のあらすじと感想を紹介します。
この映画はフランス語の授業で勧められて見たものです。
友達からも勧められていて前々から見たかったので、この機会に見てみました。
映画名 |
Laurence anyway (わたしはロランス) |
制作国 |
カナダケベック・フランス |
公開年 |
2012年 |
監督名 |
グザヴィエ・ドラン |
ホームページ |
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上映時間 |
168分 |
賞 |
第65回カンヌ国際映画祭でスザンヌ・クレマンが女優賞を受賞 クィア・パルム賞獲得 第37回トロント国際映画祭でカナディアン作品賞 |
あらすじ
国語教師のロランスと、その恋人フレッドはお互いを愛し合う恋人同士でした。
ロランスは自分の誕生日に、自身がトランスジェンダーであることをフレッドに伝え、その日から女性として生きていきたいとカミングアウトします。
フレッドは突然の告白に怒りと戸惑いを隠せません。
しかし、フレッドは愛するロランスのために、一度は応援することを決めます。
一方ロランスは、メイクをしてきれいに着飾って「ありのままの姿で」職場に出向きますが、周囲の理解が得られず、絶望的な気持ちに陥っていきます。同時にフレッドも周囲の目が気になり始め、ロランスから離れることを決意します。
何年も月日が経ち、フレッドは家庭を持ち、ロランスもトランスジェンダーであることを理解してくれる彼女と暮らし始めますが、ロランスとフレッドはお互いをどこかで強く想いつづけていました。
そんな二人は再会を果たし、かけおち旅行をします。果たして、この二人は困難を乗り越え一緒になることはあるのか?というのがあらすじです。
評価
(あくまでみあ個人の評価です)
総合
4.5
愛と悲しみと怒りの心情を上映中は交互に感じ、全体的にとても切ない映画でした。
カメラワークと色彩、俳優陣の演技力のたかさと演出すべてがよかったです。飽きずに見れたのですが、160分という長さがちょっと気になりました。
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ストーリーの感想
カミングアウトをしてからも、ただただ愛し合う二人なのに、どんなに望んでも二人の描く普通の幸せな生活は手に入らない、そんなもどかしさが見ていてつらかったです。
この話はロランスが主人公ですが、恋人のフレッドに途中から感情移入していまいました。彼を愛したいだけなのに、受け入れたいのに、それだけじゃだめな現実。彼女の下した選択に共感しつつも切なくなります。また何度もフレッドがブチギレるシーンがありますが、そのシーンごとの彼女の感情が伝わってきて胸が熱くなります。スザンヌ・クレマンの演技力に脱帽です。
色彩美と演出のすばらしさ
ドラン監督の色彩美の描写に目を奪われました。特にお気に入りのシーンはかけおち旅行での二人がすべてを脱ぎ捨てて一緒になるという場面です。
演出で印象に残っているのは2シーン。1つ目はカミングアウトまでの車の中でのロランスの不穏な感情を大音量のBGMで表現する場面。
2つ目はフレッドが一度は離れたロランスからの手紙を読んで、感情があふれだすシーン。家の中の座っているソファーから大量の水が流れるという演出をします。
後で知りましたが、この映画の上映されたとき、ドラン監督は若干22歳。22歳という若さでこの映画を作成し、こんな演出の仕方ができるなんて天才としかいいようがありません。
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