＜カナダケベック＞夢のマイホーム購入…のはずが？！借金地獄で人生崩壊になる前に

前回お話したように、コロナ禍で引っ越しブームなここカナダケベック。

不動産物件とともに家賃の値段は異常に上がっています。

売出物件がでれば、すぐに売れてしまい、（実際に即日に買われる家もたくさんあります）一つの物件に１０件の購入申出がでるのも稀ではなくなってしまっています。

購入希望者は、ほかの多くの購入申込に打ち勝つため、どんなに不利な条件でも受け入れてしまい、購入後、欠陥住宅だったことが発覚しトラブルが多発しているようです。

なぜ？コロナ禍で家を買う人が増えた？

前回の記事に書いた通り、コロナ禍でリモートワークを強いられているケベック。リモートワークは家のスペースが減ることだけでなく、電話会議などでの音環境も気になります。

それを理由にケベックの人たちは今よりも広い家に引っ越す人たちが増えました。

子供たちもコロナで学校が休みの日が増えたため、中でも庭付きの一戸建てが人気です。
賃貸は、そもそも戸建の貸出数が少なく、家賃も高くなるので、これを機に庭付き戸建てを購入したがっている傾向があるようです。

ちなみに、ケベックシティでの家の購入価格はコロナ以降20%値上がりしています。

うちも家の購入を検討しましたが、こういった物件の異常な値上がりや、いい物件が公開されると一日足らずで売られてしまうというおかしな状況から冷静な判断ができないと思い、購入はせずに賃貸物件に住むことにしました。

購入後借金地獄って？？

夢のマイホームを購入した後に、見えない場所に重大な欠陥があり、修理に125ドル～200 000 ドル(約1000万から1700万円)支払わなければならなくなりトラブルに発展するケースがあるようです。

特に絶望的な欠陥は、漏水、カビ、基礎のひびがある欠陥住宅ですが、これは私たち素人の内見だけではすぐに見つけられません。 

こういったケースから購入者を守るため、日本で中古の家を購入する場合と同様に売り手側の「瑕疵担保責任（une garantie légale）」（※不動産専門ではないのでもし別の的確な日本語訳をご存じの方いらっしゃいましたら、おしえてください。）と購入前に購入希望者が「ホームインスペクション」がここケベックでもあります。

が、現時点では、この２点は義務化されていません。

売り手市場の今、売り手は、自分の物件に同時に１０件の購入申し出が出た場合、いかに自分に負担がかからない買い手を選ぶのは当然です。

つまり、「瑕疵担保責任」と「ホームインスペクション」を放棄したうえで購入を決めた買い手を選びたがります。

買い手側もなにがなんでも家が欲しくて、我を忘れ、申込の際に放棄を了承してしまいます。

しかし、それが、買い手の借金地獄の始まりになってしまう可能性があるのです。

法廷では？

インスペクションを怠った買い手に裁判官はとても厳しく購入後の買い手の要求が通ることは少ないとのことです。

夢に見たマイホーム購入によって、地獄をみることになる前に「瑕疵担保責任」がある物件と「ホームインスペクション」を怠らないことがキーポイントです。しかし、なによりも大切なのは、異常事態に流されず、冷静さを保つことかもしれませんね。

関連記事